天地明察。   

天地明察

冲方 丁 / 角川書店(角川グループパブリッシング)



日時計(前回の記事)の作り方を教えてくれた人に
「日時計を作ったのなら、この本をとりあえず読め」
と言われ、その数日後に山梨日日新聞の書評(8月17日付)に
有川浩さんがこの本の感想を書いていたのを、偶然読み
こりゃ読まなきゃな、と思い本屋さんに行ったのが、8月18日。

結構、派手に置いてあったので(2010年の本屋大賞らしい)
すぐに見つけるも、値段を見て、ちょっと考える。
しかし、上・下巻だと思っていたので、1冊で終わるから
1800円くらいだけど、買っちゃえ!と勢いで購入。

そして、読み終わったのが8月19日。
1日かけて、がっつり読みました。
そりゃもーご飯を食べるのもめんどくさいぐらいに。


これから読もうと思っている人は、ここから先は読んじゃダメです。


あらすじ等は・・・天地明察のサイト をどうぞ。



主人公は、日本独自の暦を作る(天文学の)
「渋川晴海(しぶかわ・はるみ)」という男性です。
しかも、この人、もともとは碁を打つ人らしいです。

でも、この人は集中すると周りがまったく見えないような人だから
完成して、自信満々でみんなの前に出したら「失敗だった」
・・・みたいな。(苦笑)
そんなことを繰り返すんですよ、この人。
しかも、和算の祖(数学史上では神的扱いな、すごい人)
である「関孝和(せき・たかかず)」にその間違いを指摘され。
しかも、一度だけではなく、何回も。

・・・もう、まめ。だったら、耐えられない (ノД`)


でも、年を重ねるにつれて(20年以上かかったらしい)
周りも見えるようにもなって。
それが、800年ぶりに暦が変わったことにつながるんですよね。
もう、第6章の渋川さんは、全く以って別人のような
落ち着きっぷりでしたね。
伏線をどんどん仕掛けるって・・・なぜ6章だけ?
だから、最後に来て急いだ感じがして、もったいなかったとも
思えるんだよなぁ。
なぜ今までと同じように、最後もページを費やして書かなかったんだ?

一緒に北極出地に向かった、建部さんと伊藤さんのやりとりが
はしゃいでる感じがね、大好きなの。
だから、建部さんが亡くなったときは、もう号泣。
10分くらい泣きすぎて、進めなかった。
建部さんの遺言(?)が叶った瞬間も、涙が。


伊藤さんの「頼みましたよ」
渋川さんの「頼まれました」

淡々としたこの言葉のやり取り、結構好き。
だから、伊藤さんが亡くなった時も、号泣。


・・・どれだけ泣けば気が済むんだ。


で、一番印象深かったのが
「そうまでして改暦の名誉がほしいのか」という罵詈雑言に
対して、渋川さんが呟く一言。

「うん・・・欲しいな」

決して、自分のために欲しいと思っているわけではない。
それは、今まで関わった人たちへの「お返し」として。
完成を待たずして亡くなってしまった人たちへの、お返し。
これほどまでに欲しいと臨んだことはないのかもしれないよね。
えんさんは別として。



ただなぁ。
途中でこれから先の展開が分かるところが度々出てくるんだけど
それが読みづらい。
「何、『悪夢』っていつ出てくるの?!」って思っちゃったら
なかなかページが進まなかった。
あの部分、必要だったのかな。
個人的には、わざわざ書かなくてもよかったんじゃないかなって
思うんだよねぇ。


ちなみに。
緯度に対して北極星が垂直になるように日時計の角度を
作ってあげると、大抵は成功します。
(真ん中の棒は北極星の方向へ向けてください)
だから・・・東京で作った日時計が、北海道で正確に測れるか?
といえば、違うんですよね。
それは、あくまで「東京の緯度」に合わせて作ったから。
だから、北海道は北海道の緯度を計ってから作らないと。

143頁の図がその原理に近いんじゃないかな、と。
問題は全く違うんですけどね。
図だけ見てください、ということで。
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by white-topaz | 2010-08-20 01:32 | 音楽・本のこと | Trackback | Comments(0)

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